溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「俺だったら、そんな切ない顔はさせないし、きっと涙も流させない」
彼を見上げると、本当に私を救ってくれた騎士のようだ。凛々しくて誠実で……頼りになる。
きっと裏切ったりもしないんだろう。こんなふうに悲しい涙を流したりしないで済むのかもしれない。
「花澄、こんな状況で言うのは狡いって分かってるけど……俺を選んでくれたら、命を懸けて大切にするから」
「今は何も……答えられないです」
「うん、分かってる」
ごめんな、と言って永井さんは私の手を引き、到着したエレベーターに乗って地上階まで一気に下った。
最初は苦手だった。ズカズカと人の恋に入り込んで、否定してはからかってきて。こんな人が大企業のCEOなのかと、信じられない時もあった。
でも、間違いなくいつだって優しかった。
悩んでいると気付いてくれたり、少し寂しい夜は察したように部屋のドアをノックしてくれた。
同棲っていいなぁって、そう思えたのは永井さんが相手だったからだ。
雅哉さんとの未来を重ね見ていたけれど、体感した温もりや優しさは永井さんのものだった。