溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「そういえば、永井さんは昨日いつ眠ったんですか?」
「いつだったかな。キスの最中に花澄が眠っちゃって……ここからってとこだったのに残念だと思って、諦めた後ではあったけど」
「……ここからって、どういうことですか!?」
「かわいい寝顔だったから、襲いたくなったけどやめといたよ。ですので、どうぞご安心を」
言い返そうとしたら、今度は彼の携帯が鳴って、リビングを出ていく背を見送る。
仕事の連絡かもしれない。大社長ともなると、休みが休みではないのだろう。
五分ほど経ってから戻ってきた彼は、部屋着から外出の装いになっていた。
「出かけるんですか?」
「うん、ちょっと」
「遅くなりますか?」
「いや……わかんないな。連絡するから、教えておいて」
彼は携帯を手にして、プライベートの連絡先を聞いてきた。
今になって交換するのが不思議な気分だ。電話番号とメールアドレス、無料通話やメールができる定番アプリのIDを伝えると、彼は登録を終えてから出かけてしまった。