溺愛CEOといきなり新婚生活!?
ひとり残された土曜の昼。
確かサンプリングマリッジを始めたときもこんな時間を過ごしていたと思い出す。
……雅哉さんは、きっと家族といるんだろうな。子供と楽しく遊んだり奥さんを大切にして、私との二年なんて微塵も思い出さないんだろう。
持っていた携帯が鳴って、永井さんからのメッセージが届いていると通知が出た。
【明日はデートするから考えておいて。それから、俺がいないからって、俺以外のことを考えないように】
まるで、永井さんの彼女になったみたいだ。付き合ってないのにキスをしたり、別々の時間を過ごす間も彼を考えて過ごすように言われるなんて……。
【わかりました。帰り、また連絡してくださいね】
でも、永井さんに言われると悪い気はしない。むしろ、ちょっと嬉しくて頬が緩む。