溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「花澄」

 様子をうかがってくる彼も、さすがに私の不機嫌に気づいたのだろう。


「……昨日、お仕事だったんですか?」
「違うよ。誘いの電話があったから友達と会って、早く帰るつもりが盛り上がって……遅くなってごめん」
「別にいいです」

 遅くに帰ってきたのが不服なのではない。
 私と過ごす約束があったわけじゃないから、どうしようと自由だ。仕事だと思っていたのも、私がそう思っていただけで、永井さんは何も言っていない。


 でも、七瀬さんと会うなら、そう言ってくれて構わなかったのに……。
 隠されているのが嫌なのだと気付く。だけど、それを口にしたら永井さんはどう思うんだろう。


< 169 / 378 >

この作品をシェア

pagetop