溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「花澄」
様子をうかがってくる彼も、さすがに私の不機嫌に気づいたのだろう。
「……昨日、お仕事だったんですか?」
「違うよ。誘いの電話があったから友達と会って、早く帰るつもりが盛り上がって……遅くなってごめん」
「別にいいです」
遅くに帰ってきたのが不服なのではない。
私と過ごす約束があったわけじゃないから、どうしようと自由だ。仕事だと思っていたのも、私がそう思っていただけで、永井さんは何も言っていない。
でも、七瀬さんと会うなら、そう言ってくれて構わなかったのに……。
隠されているのが嫌なのだと気付く。だけど、それを口にしたら永井さんはどう思うんだろう。