溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「もう、小泉先輩とは連絡取ってない?」
「連絡先、全部消したので……。時々、会社で会う時があるけど、話すことはありません」
「いいなぁ」
「なにがですか?」
羨みたいのは私の方だ。
もちろん大変な苦労や努力はしたと思うけど、永井さんのような非の打ちどころのない人なら、あらゆることに選択肢が多いはず。すぐに落ち込んだり悩んだりする私とは違う世界にいるんだと思う。
「働いてる花澄が見れるなんて羨ましい。俺が知ってるのは、家にいる花澄が多いから」
「それは……どうしようもないことですから」
そのあとも車中からなかなか橙に染まらない空を見上げていると、彼はATSで働いている私を想像している様子で、時折ため息をこぼしながら見つめてきた。
「花澄のこと、全部知りたい」
運転席と仕切りのあるリムジンで二人きり。
彼は私と額を合わせて微笑み、頬にそっとキスをしてきた。