溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 最上階に到着したエレベーターから手を繋いだまま下ろされ、長い通路を進んだ先にあるドアを彼が開けた。


「約束できるなら、証拠を見せて」

 玄関に入るなり、永井さんは私を壁に押し付けた。


「証拠って」
「キスしてよ。今夜は花澄から俺を愛して」
「っ……!!」

 彼はサマースーツのジャケットを脱いで廊下に放り、ネクタイの結び目に指をかけて緩めると、あっという間に解いてそれも投げてしまった。
 その間、ずっと私を見下ろしている彼は、じわじわと距離を詰めてくる。


「あの、永井さん」
「なに?」
「ここで脱いだら、汚れちゃいますよ?」
「そんなことは気にしなくていいの。花澄は俺のことだけ考えていなさい」

 カフスをスラックスのポケットにしまうと、Yシャツのボタンをひとつずつ外しはじめた。


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