溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「九条さんも、ご一緒にいかがですか? 私の料理がお口に合うかわかりませんが……今夜はパエリアなんです。たくさん作るので、よろしければ」
「いや、あの……」
彼女の後ろで、断るようにと視線で訴えてくる社長がいる。
「私はまだ業務が残っておりますので」
「どんな? お急ぎなんですか?」
「そうですね」
「……どうしてもダメですか? 海都さん、九条さんのご予定を調整してあげないとかわいそうですよ。いつも遅くまでお付き合いいただいているんですから」
どういう気の使い方をしてくださったのか、彼女は社長に私の予定を変更するよう話し出した。
「休みは取らせているから大丈夫だよ、花澄」
社長がそう言っても、なぜか今日の花澄さんは折れそうにない。