溺愛CEOといきなり新婚生活!?
最近酷使している目をいたわるために、洗面室を借りて目薬を差してから寝よう。充血の具合によっては、眼科に行った方がいいかもしれない。
社長の隣にいる秘書として、清潔感はもちろん健康的でなくてはならないからだ。
ゲストルームとは反対側にある洗面室へは、リビングにある二つのドアのうち、もう一方から出なくてはならない。
お二人が眠られている主寝室も、そちら側にある。
起こさぬよう、慎重に足を進めて部屋の前を通り過ぎようとしたその時――。
「ずっと聞きたかったことがあるんです」
そう告げる花澄さんの声が聞こえて、思わず足を止めてしまった。
何を聞きたいのかと相槌を打つ社長の声は、私にはかけられることのない優しさと愛に満ちた声色だ。