溺愛CEOといきなり新婚生活!?
今朝の永井ホールディングス本社も、非常に活気がある。
社の前を歩いて入っていく社員たちの表情は明るく、下を向いて疲れた様子の者は、私が見る限りいなかったと思う。
地下へとスロープを下りると、社長は自ら後部ドアを開けてエレベーターに乗った。
「本日は、比較的お時間に余裕のあるスケジュールとなっております。昨晩、御門建設よりメールが届きましたので、その内容を詰めるお時間をいただきたく思います」
「わかった。主要メンバーを招集しておいてください。時間は何時でも構いません」
「かしこまりました」
上昇していくエレベーターの中、一日の予定を話すのはいつものこと。他に誰も乗り込まない専用エレベーターは、格好の密談場所だ。