溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「…………」
「黙ってたんじゃ分からないよ」

 じわじわと距離を詰め、片方のサイドの髪を耳にかけてやる。形のいい耳が見えて、俺はそっと唇を寄せた。


「俺が欲しいなら、言わないと」

 囁けばすぐに震える、彼女の身体が愛しい。
 俺の息遣いを感じただけで、花澄の頬に赤が強く差していく。


「花澄、この前やめてって言ってたけどさ」

 小さく頷いた彼女の耳元で、髪を揺らす程度の浅い呼吸をする。


「本当は、ああいうの好きなんだろ?」
「っ!!」

 一瞬にして目を丸くした彼女は、俺の胸元を見つめたまま。


「ドキドキすること、しよっか――」

 真正面からじっくりと花澄を見つめて誘う。

 奪っていた自由を解いて、指を絡めて手を繋ぎ、部屋の奥へと連れ込んだ。


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