溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 デスクに彼女を浅く座らせ、正面に立ってキスをする。
 彼女が身じろぐと、傍らのペン立てが微かに揺れた。


「俺は今夜、お前が食べたい」
「んっ……そんなこと言わないでっ」
「花澄が聞いてきたんでしょ?」

 何か言おうとしても、彼女の口からは吐息が漏れるだけ。
 今まで何度も奪ってきた花澄の唇に吸い付いて舌を絡めれば、場に似つかわしくない音が室内にこぼれだす。

 息が上がってきた彼女を解放したら、蕩けかけの表情で見つめられた。


「残ってる仕事済ませるから、ちょっと待ってて」
「えっ、あ……うん」

 火を点けたところでデスクから彼女を下ろし、ソファで待たせる。


 まさか、ここで本当にすると思ってたの?
 それとも、期待してた?



 いくら九条がいないからって、会社でそんなことはできないよ。

 ただでさえ花澄のことばかり考えてしまうのに。


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