溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「別に、怒ってないからね。さっきから顔色伺ってるみたいだけど」
「え……」

 明らかに不機嫌な顔で私を睨んだのに、怒ってないなんて信じられないけれど、本人がそういうならそうなのだろう。


「ちょっとからかっただけ。好きな子の反応見て楽しんでたんだよ」
「だから、もうっ……好きとかかわいいとか思ってもないことを言うのはやめてください!!」
「あぁ、それは本当だよ。からかってるわけでもないし、嘘をついてるつもりもない」

 笑っていた彼がまっすぐな瞳で見つめてくるから、私は動けなくなって、また見つめあってしまった。


「ところで、サンプリングマリッジの課題、知ってる?」
「……課題?」
「専用アプリで日記をつけなくちゃいけないことになってるんだ。あくまでもサンプリングマリッジだから、効果検証しないとね」

 永井さんの説明に聞き入って理解に努めるものの、久しく日記なんて書いていないから戸惑った。



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