溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「日記って、何を書いたらいいんですか?」
「なんでもいいんだよ。普通の日記と変わらない。だけど、俺のことやこの生活についても正直に触れてもらわないと意味がないから、そこは厳守」
永井さんのことや、この豪華な部屋での日々を書かなくてはならないとなると、告白されたり抱きしめられたことも如実に書かなくちゃいけないのか……。
「……効果検証をして、何がわかるんですか?」
「初対面の男女がたった三ヶ月だけ一緒に暮らしたら、心境とか考え方にどんな変化があるのかを知りたいんだよ。婚活をしてる人たちも初対面でしょ? だから、今後の婚活イベントに生かすんだ」
ふと疑問が浮かんで、キッチンで二杯目の味噌汁を注いでいる彼を見つめる。
再び向かいの席に戻ってきた彼はお椀を持ち、わずかに唇を尖らせて息を吹きかけた。
「永井さんは、この企画を主催している結婚相談所の会員なんですよね?」
「いや、違うよ。上遠野さんも会員じゃないけど参加してるでしょ? でも、非会員で参加してるのは多分俺たちだけ」
「えっ……そうなんですか? でも、永井さんはどこでこの話を」