溺愛CEOといきなり新婚生活!?
「ここ、来たことある?」
比較的新しくできたホテルに入っている最上階のレストランバーまでエレベーターでやってきた。
「ないです」
「永井社長にも連れてきてもらってない?」
店に入り、スタッフに案内された窓際の席に座るなり、雅哉さんは問いかけてきた。
「ありません」
「……ふぅーん。この前みなみ野には来てたのに?」
「あれは、永井さんから突然お誘いいただいただけで」
メニューを手にして視線を合わせず、意地悪な質問を続ける彼の横顔に、私は思わず膨れっ面になった。
「俺はビール。花澄は?」
「……私もビールをいただきます」
「食事は、適当に頼んでいい?」
彼は私の好みを知っているから、頷いて任せることにした。
三十階からの夜景はとても綺麗だ。高層ビルが乱立していて、都会らしいの景色が広がっている。
だけど、今日はこの雰囲気に流されてはいけない。