溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「お待たせしてすみません……」
「よし、行こうか」

 リビングに顔をのぞかせると、いつものようにソファに座ってタブレットを見ている永井さんがいた。目覚めた時は微笑んでくれていたけれど、本当は苛立っているかもしれないと思っていたから、少しだけ胸をなでおろす。
 もっと早く起きれたら、メイクも服も考えられたのに……。
 雅哉さんに後ろめたいとはいえ、せっかくのお誘いに適当な装いでいいのかと思ってしまうのだ。


 永井さんは廊下を進んで玄関でカードキーを持つと、私が靴を履くのを待ってからドアを施錠した。

「どこに行くんですか?」
「すぐに帰るから大丈夫」

 デートなのに、すぐに帰るの?
 不思議そうに彼を見ても、それ以上のヒントはもらえず、エレベーターで地下まで降りて駐車場を歩く。整然と停められているのは、どれもこれも超がつく高級車ばかりだ。このマンションに住む人たちには、永井さんのような経営者も多くいるのだろう。

 ロックを遠隔操作で開けると、ウインカーが三回瞬く。
 秘書の九条さんが運転する社用車には乗せてもらったことがあるけれど、永井さんの運転は初めてだ。


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