一夜の。


「社長おかえりなさいませ。

紅茶かコーヒー、お持ちしますか?」


有馬ちゃんは いつも通り業務としては俺に優しく接する。


「コーヒーがいい。」


「はい。かしこまりました。」


指輪は外している。


「社長?コーヒー置いておきます。」


コップを置いて離れようする有馬ちゃんの手を俺は掴んだ。


「親父に会ったんだ?」


有馬ちゃんは この話をすると 指先が震えて出す。


「ぃ、いえ。最近はお会いしておりません。」
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