一夜の。


「そう。で 1つ聞きたいんだけど

今野社長とはどこで出会ったの?」


「せ、先日も言った通り 駅でばったりお会いしたんです。」


有馬ちゃんは表情を崩すことはないが

嘘ついている時は 逆に俺の目を見て話すくせがある。


「社長が電車をつかうの?

しかもk社の最寄りは 有馬ちゃんがいつも乗ってるとこじゃないよね?」


有馬ちゃんは 一歩引こうとしたが

俺はそれをさせない。


逆に こちら側に引き、

顔を近づけた。



「しゃちょ。‥…近いです。」


わざとだよ。有馬ちゃんが嘘つけないように。


「本当のこと言えよ!」


ここで声を荒げてしまったのは失敗だ。

おそらく有馬ちゃんは何も悪くない。


有馬ちゃんはビクッと肩を揺らした。


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