一夜の。


今でも無意識に避けちまうんだよな。

親父のこと。



「親父。」

新聞を読んでいる親父は 俺に一瞬ピントを合わせ。

また視線を新聞に戻した。


「俺に黙って何してんの?なんで俺じゃなくて 有馬ちゃんに、縁談なんか 持ちかけたの?



「わしが拾ってきた秘書だ。婚期が遅れることを心配して 紹介したんだよ。」


「親父が 俺の秘書の婚期なんか気にする必要ないだろ。

いったい何が目的なんだよ。」


俺は親父を問い詰めた。


「次の見合いが最後だ。お前には その子と結婚してもらう。」




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