一夜の。


俺が見たかったのは その表情。


他人行儀な表情ももう見飽きちゃった。


有馬ちゃんのどんな表情でも見て見たい。


前の男のように、現れただけで

取り乱すような。


あの表情を俺にもまた向けてほしい。



「社長室にご案内するという事ですか?」



「うん。そうだよ。ココに呼んで。

何か問題ある?」


「……。」



有馬ちゃんは唇を少し噛み締めている。


もっともっと悲しめばいい。


「早く。」


「…かしこまりました。」



意地悪したのは俺だけど


その表情は俺を煽るだけだよ。


有馬ちゃんは受話器を取って


受付と連絡を取る。




< 36 / 161 >

この作品をシェア

pagetop