一夜の。
俺が見たかったのは その表情。
他人行儀な表情ももう見飽きちゃった。
有馬ちゃんのどんな表情でも見て見たい。
前の男のように、現れただけで
取り乱すような。
あの表情を俺にもまた向けてほしい。
「社長室にご案内するという事ですか?」
「うん。そうだよ。ココに呼んで。
何か問題ある?」
「……。」
有馬ちゃんは唇を少し噛み締めている。
もっともっと悲しめばいい。
「早く。」
「…かしこまりました。」
意地悪したのは俺だけど
その表情は俺を煽るだけだよ。
有馬ちゃんは受話器を取って
受付と連絡を取る。