一夜の。


「付き合ってはいません。

一週間ほど前に 駅で声をかけられて

それから何度かお食事をご馳走になっているだけです。」


一週間ほど前って。


何でそれを俺に言わないんだよ。


「本当にそれだけ?」


こんな高い指輪。ただの取引先の秘書なんかに贈るはずがない。


「…。」


「言えよ。」

自分でも驚くほど低い声が出た。

有馬ちゃんもビクッと肩を揺らした。


「告白されました。とりあえず、お試しでもいいからと。」





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