一夜の。


チッ。

気づけなかった自分にも腹がたつ。


「ふざけんな。俺は手離すつもりねぇんだけど。」


口調も自然と荒くなる。


「社長は私では無くても たくさんの女性がいらっしゃいます。」


他の女では意味無いんだよ。

俺が有馬ちゃんじゃないとダメなんだよ。




「…ん!」


壁に強く押し付け 噛みつくようにキスをおとす。



知ってるくせに。

俺の気持ち。


ムカつく。


その小指に光るいかにも高価な指輪が。


こいつは俺のだよ。って今野とかいう男からのメッセージのように主張している。



「離して!」


ドンっと押され 離れる。

考えてみれば こんなに強く拒絶されたのは初めてだ。




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