一夜の。


「社長のことは本当に尊敬しています。」


涙ぐんだ声で絞り出すように話す。


俺が聞きたいのはそんな言葉じゃない!


「なんで そんなに俺から離れようとするの?」


俺がいけなかったのか?

俺はてっきり 俺の気持ちを受け止めて 考えてくれてるんだ。って思っていたのに。



「社長のお言葉は本当に嬉しく思っております。

でもこれが、私の答えです。」


有馬ちゃんは 俺の胸を押し 距離をあけた。



こんなの納得できるはずもない。


おれの問いかけにも答えてくれない。


「俺が出張に行ってる間 別の会社の社長に口説かれて付き合って、それを分かってください。って?


俺の気持ちは結局 なにも無かったことにされたの?」






< 92 / 161 >

この作品をシェア

pagetop