一夜の。
「しゃ、社長は このことをご存知でないんでしょうか?」
当たり前のような事を聞いた。
ただ私は急なこの展開に酷く動揺している。
「もちろん極秘に進められていることだ。
私がヘッドハンティングした優秀な秘書だ。
何が言いたいか分かるだろ?」
「それでしたら この話は1度考えさせて下さい。後日連絡します。」
こんな内容。1人じゃどうにも出来ない。
「いや。答えを今日このまま聞きたい。
言っておくが 私はこの会社を何十年、何百年と続かせていくつもりだ。
倅が継いで売上が伸びているのは確かだが もっと安定した他の会社との繋がりがほしいんだよ。
君の答えで この会社の何百年先の未来が変わると考えれば
今すぐに はっきりするはずだ。」
会長の声は重く、私の肩にずっしりのしかかった。
答えは出ている。私は社長とは一緒になれない。
頭では会長の言葉が理解できているのに
声にするのが怖い。