カノジョの彼の、冷めたキス
自分の仕事をひとつずつ片付けながら待っていると、しばらくして渡瀬くんが戻ってきた。
彼がデスクに落ち着くのを待ってから声をかけに行こうと決めて、そわそわとタイミングを見計らう。
そろそろいいかな、と立ち上がろうとしたら、渡瀬くんが電話を取るのが見えた。
内線かな。
しばらく待っていると、電話を終えた渡瀬くんが立ち上がって、隣の席の高垣さんに何か話しかけていた。
ふたりで忙しそうに資料を印刷したり、ファイリングしているかと思うと、それを持って渡瀬くんだけがどこかに行ってしまった。
緊急の用事でもできたのかな。
しばらく待ってみたけど、1時間以上経っても渡瀬くんは戻って来ない。
これ以上待っていたら原田先輩も戻ってくるし、先輩から頼まれた仕事を引き受けた意味もなくなる。
渡瀬くんの売り上げ額は彼の補佐の高垣さんでもわかるはず。
渡瀬くんと話せなくて残念だけど、高垣さんに聞いてみることにした。