カノジョの彼の、冷めたキス
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部署の3分の2くらいの同僚が帰宅して、昼間よりも静かになった社内でため息を吐く。
きっちり1時間の昼休みをとって戻ってきた渡瀬くんは、夕方にまた打ち合わせがあるのかどこかへ消えてしまった。
個人的な感情は封印しなくてはと思うのに、ふたりでランチに行った渡瀬くんと皆藤さんのことが気になって、午後からはあまり仕事がはかどらなかった。
仕方なく1時間ほど残って仕事を片付けているけれど、さっきから数分おきにため息ばかりこぼしてしまっている。
どうせ残っても仕事がはかどらないなら、今日は帰って明日に気持ちを切り替えたほうがいいのかも。
何度目かのため息でそのことに気が付いて、デスク脇のカバンを取り上げる。
スマホを取り出してみたら、20分ほど前に渡瀬くんからのメッセージが届いていた。
渡瀬くんからのメッセージは、仕事が終わったらこのビルの共同スペースとなっている休憩所で待っているという内容。
それを見た瞬間、途端に元気が出た。