カノジョの彼の、冷めたキス


フロントのお姉さんの言葉を聞いて、自分の失敗にものすごく責任を感じた。


「ごめんなさい……近くに空いてる部屋があるホテルがないか、急いで探そうか?」

渡瀬くんの背中に頭を下げながら、他のホテルを調べるためにスマホを取り出す。

だけど近くのホテル情報を探し始めようとしたあたしに、渡瀬くんが待ったをかけた。


「いや、でももう時間遅いぞ。今から他あたるの?」

指摘されて時間を確認すると、既に夜の11時を過ぎていた。

確かに、今から他のホテルを探してもシングルを2部屋とれる可能性は低いかもしれない。


「じゃぁ、渡瀬くんだけでもここに泊まって。あたしはこの近くで一室空いてないか探してみる」

そう言うと、あたしは近くのホテルに検索をかけた。


「どういたしましょうか」

あたし達のやり取りを聞いていたフロントのお姉さんが、遠慮がちに渡瀬くんに声をかける。


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