カノジョの彼の、冷めたキス


「渡瀬くん、お風呂空いたのでいつでもどうぞ」

渡瀬くんの背中に向かって早口でそう言うと、床に作った寝床に潜り込む。

ベッドに比べたら固いけど、下がふわふわ絨毯だから問題なく寝れそうだ。

渡瀬くんにすっぴんを見られないように頭までシーツをかぶると、ベッドが軋む音がする。



「じゃぁ俺も風呂入ろっかな。って、斉木さん、そこで寝るの?」

渡瀬くんがからかうように笑って立ち上がるのが気配でわかる。

だって、床で寝ろって言ったのは渡瀬くんじゃん。

シーツの下でムッと頬を膨らませていると、渡瀬くんがあたしの方に歩み寄ってきた。

少しずつ近付いてくる足音に、緊張で胸が高鳴る。

頭の上までかぶったシーツの端をぎゅっと握りしめたとき、渡瀬くんの気配がさらに近くなって、同時にがばっとシーツを剥がされた。


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