愛しかた

殆ど友人の協力を得て進めたことだったけど、親身になってくれた皆に感謝だ。

「その為の“卒業旅行”だったのか」
「はい」
「それで彩人も連れて行くと？」
「はい」
「まさかそのまま帰ってこないつもりか」
「まさか！そのつもりならこんな話、していませんよ」

私の返しにお祖父ちゃんの目がふわりと優しくなった。

「そうか。好きにしなさい。今回の入院で私も流石に目をつぶってられなくなった」
「父さん！ただの事故です！」
「・・・そうだな。そんな階段から落ちるような間抜けな奴に我が社の要となる人間の秘書なんて任せられるわけ無いだろう」
「そ、それは・・・」

酷い言われようだ。

「優星、こんなことしか言えない私を許してくれ」

わかってるよ、お祖父ちゃん。
それでも味方になってくれてありがとう。

「いいんです。ただ彩人と咲人に暫く有給休暇あげて下さい」
「わかった。これまでの分ふんだんに使えと伝えなさい」
「ありがとうございます」