秘密の恋 〜社長に恋して〜
瑞穂は全身を鏡で映した。
今まで見たことのない自分に自分で驚いた。

そこで、改めて瑞穂は店員の女性を見た。
黒のシンプルなスーツの似合う、女性だった。

(- 同じ年ぐらい?少し年下かな?)

髪はきれいにピシッと結い上げられているが、どこか儚げな美しさの中に少しのあどけなさが残っていた。

「ありがとうございます。よろしければお名前教えて頂いていいですか?」
瑞穂は微笑むと女性に尋ねた。

「水上 詩織です。」
詩織と名乗った女性はポケットから名刺入れを出すと、綺麗な所作で瑞穂に渡した。

「ありがとうございます。」
瑞穂はそっと名刺に目を落とした後、カバンに閉まった。

「以前お会いしましたよね?これ…。」
そういうと、詩織は小さな瓶を出し、瑞穂の顔に近づけた。
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