秘密の恋 〜社長に恋して〜
家に帰り、化粧を落とし、熱いシャワーを浴びた。

いつもの自分の顔が鏡には映っていた。
お酒も抜け、自分のしたことの大胆さに驚き、ふっと自嘲気味な笑いが漏れていた。

(- あーあ。一度抱かれれば諦められると思ったのに…。)

その目論見は見事に外れ、瑞穂は自分のすべてに残っている由幸の感覚に支配されていた。

(- あんなに優しく大切そうに女の人を抱いてるんだ…社長は…。)

初めての瑞穂でもわかるぐらい、由幸は優しかった。
ありとあらゆる場所に優しくキスを落とし、常に気遣いながら優しく瑞穂と交わった。

自分がこの人の最愛の人と勘違いしそうになるほどに…。

(- 愛がなく抱かれることが、こんなにむなしくなるなんて…。こんな気持ち初めて知った。)

瑞穂の瞳からとめどなく涙が落ちた。

(- 今日と明日だけ。来週からはまた、いつも通りの自分に戻るから。今だけ、思う存分あなたを思う事を許して…。)


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