秘密の恋 〜社長に恋して〜
あまりにもいつもとは違う。
少しセクシーなワンピースに、ゆるく上げられた髪から見える項。
そして、色気を放った唇。

どれをとっても男を寄せるその姿。

ちらちらと周りの男が視線を送っているのを気づかないのか、彼女はじっとグラスを見ていた。

俺はそっと近くによって声を掛けた。

瑞穂だ。

その甘く香る香り。いくら化粧をしようが、惚れた女を見間違うはずが無かった。

「一人?隣座っていい?」
そう声を掛けると、瑞穂が動揺したのがわかった。

「どうぞ」
その態度から、俺の事を知らないふりをしているのがわかった。

瑞穂の意図が解らず、俺も知らないふりをする。
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