【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1


「“大きな空、手をね、伸ばした君は『やっぱり届かないね』と、悲しそうに言った”」


すべてを捨てても、果たしたいもの。


「”輝いている、あの夢先は何を指すのだろう“」


分かるからこそ、惹かれたのかもしれない。
この歌に。


「”後押しのように、背中を押す風”」


私にも、そんな存在があったなら。



「”儚く、散っていく桜を眺め、僕は君に言うんだ“」


世界の音は、消える。


「”君に翼をあげるから、君はこの大空を、羽ばたいて。愛している、それだけが、僕のすべて……“」


沙耶の中から、消えていく。


「”憧れたものをこの腕に、抱き寄せて、守り抜けたら。君は、言った。泣きながら、『真実の愛とは、何ですか』と…………花が咲いて散りゆくように、君の目指す先は真っ暗で。その暗闇に光を灯してあげる”」



ただ、守りたい。


笑ってくれる、彼らを。



「”鳥のように羽があるなら、私は君にこの歌を届けたい。愛していると、ありがとうと。君がいてくれて、本当に良かった―…“」


静まり返りすぎた、場。


「”『なんでも、するよ』……君は言った。君がこれ以上、泣かなくてすむように、ずっと、笑って、いられますように―…“」


映画で言うところの佳境に流れた部分。


「”そして、君の笑顔を見た日に僕は、一人、散っていくでしょう。君が大空を羽ばたいたなら、僕は、君を見上げるでしょう“」


ヒロインが復讐を終え、なんの希望もないことに気がついたとき、側にいたのは―…


「”夢の中で君は言ったね。夢を見てた、遥か遠い記憶でさえも―…“」


愛してくれた、愛してた貴方だった。


「”それはすべて偽りで良い。夢の中で一度でいいから、もう一度、微笑んで―…“」


歌は、ここで終わる。

最後の最後まで沙耶は弾ききり、立ち上がった。

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