【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「柚香、ありがと」
「いいのよ。久しぶりだったけど、腕は鈍っていなかったかしら?」
ヴァイオリンを眺め、柚香は首をかしげた。
「全然!相変わらず、上手!」
柚香の腕前は当時の師匠が誉めたほどだ。
下手いなんて、とんでもない。
「……どっちも出来る沙耶に言われると、ねぇー」
けど、柚香は笑いながら、そう言って。
「え、ご、ごめん……」
思わず、謝った。
「なんてね。……ふふ、冗談よ。私は壊滅的にピアノがダメだったもの。どうしてかしらねぇー?」
そう、柚香のピアノは、本当に凄かった。
何て言うか、音程が……うん、やっぱり、言わないでおこう。
これは、柚香の沽券に関わるから。