【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「えっと……お客様?ごめんなさい、母様に会いに来てくださったのかしら?」
在りし日の夕蘭。
花束を抱えて、少女は……夕蘭にそっくりな君は笑う。
「……」
これが、あの時、腕に抱かれていた赤子。
そう思うと、やりきれなかった。
だって、あの男の子供だから……
「あの……?…いっ……」
黙っていた草志を不思議に思った少女は、手を伸ばしてきて……それで、傍にあった木で、腕を引っ掻いた。
「っあー。痛いー」
性格も夕蘭にどことなくにている節があって。
皇帝に似てなくて良かったと、心底に安堵した。
「んー、ねぇ、貴方、あっちを向いててくれない?」
傷を眺めたあと、少女は思い立ったように言った。
言われた通りに背を向ければ。
「ありがとっ!……えーっと、“治“」
背後で光った、彼女の手のひら。
紛れもない、それは。
『おい、まーた、怪我したのか?ドジだなぁ……』
『うっ、痛いんだから!』
『それだけ、血が出てればそうだろうよ。見してみ、治してやる』
『……ん』
昔から、よく怪我する夕蘭の患部に手を当て、
『”治”……ほら』
使っていた、守護聖としての力。
ならば、この少女は……
「あー!見ないでって言ったのに!何で、見てたのよ!草志!!」
「……わりぃ、ちょっと……って、え?」
久しぶりに呼ばれた名前に、目を見開く。
「あれー?……草志、だよね?」
「あ、ああ……」
「良かった!じゃあ、お母様の話していた方……お母様がもっとも愛し、傍にいたかった、私の本当の父親!」
少女は笑いながら、衝撃的な事実を言った。