【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「―…ねぇ、草志」
柔らかな、声を春風が運ぶ。
「聞いても良い?」
草蘭は、守り抜いている夕蘭の墓を見て。
「母様は、常に言ってたわ。『あなたのお父様はね、強くて、格好よくて、優しくて。わからず屋なところもあるけど、人のことをちゃんと見ていて。不器用でも、精一杯に愛してくれる人なのよ』って」
懐かしげに、目を細める。
「でね、貴方の話をした後に、必ず、言ってたんだ。『貴女も、草志のように優しくなってね』って、愛しそうに。そんな、母様が私は大好きだった」
かつて。
俺があげた愛を、夕蘭は最期まで娘に注いだのか。
前を向こうとしてた、あいつの弱さにも気づけず、俺は彼女を責めたのか。
何も知らないくせに……なんて、愚かなんだ。
夕蘭は聡い娘だった。
一を言えば、十で返ってくるし、そんな感じで喧嘩する毎日が、俺は大好きだったんだ。
俺の娘だという、草蘭は戸惑いがちに尋ねてきた。