【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1



「昔ね、桜華とこんな話をしたことがあるの……」


『人間って、死んだらどこに行くんだろう?』


何気なかった桜蘭が言った、幼い頃の言葉。


『私たちの側にいてくれてるよ。こうして、風となり、光となり、水となり…私たちを支えてくれていると私は思うな』


不思議だった。そんなことはあるはずないと思った。


だから、桜蘭は否定した。


すると、桜華は笑って。


『ないなんて、決めつけられないよ。だって、こうして背中を押してくれるもの』


凛と背を伸ばすと、風が背中を押した。


『……ね?』


すごいと思った。


この子は、自分より何倍も。


この子は小さな幸せを見つけ、笑い、喜び、何度裏切られても恨まず、相手を思い、信じて。

自分より、強かった。

だから、桜華を守ることで強くなれる気がした。

そんなことは、ありはしないのに。


彼女は、桜華は確かに強かったけど、力ではなかった。


技術でもなかった。


彼女は、生きるということを好きだと思う心が強かった。

誰よりも。

――……桜蘭よりも。


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