【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「っ……」
でも、心だけが、追い付かない。
追い付いてくれない。
息苦しくて、喪失感が胸を焼いて。
「桜蘭……」
そんな中、紅鈴が差し出したのは、一通の書簡。
「……これは?」
「前に見せたことがあるでしょう。お母様が私に死ぬ前に残してくれた手紙のこと。それを真似して、書きたいって言って……言えない事を、書きたいって……渡してほしいって、桜蘭が前に進めなくなったら、いけないからって……」
桜蘭は受け取って、あけた。
そこには、桜華らしいきれいな流れるような文字で
綴られていた。
―――桜蘭が弱いことは知ってるよ。
強がらなくていい。幸せになって。
私の事を少しでも思ってくれるなら、幸せになって見せ付けてよ。私に幸せなこと。
異国に行くのは、私は怖いよ。
でもね、桜蘭が行くより怖くない。
離れられるより、離れる方が私は楽なの。
だから、お互い頑張ろう?
泣いてもいいんだよ。悲しいときは。
でも、また、笑って?
私は桜蘭の笑顔が好きなの。
温かい日だまりみたいで……私を守ってくれて、ありがとう。大好きだよ。桜蘭。
また、どこかで会おうね。 桜華
過去に見せてもらった紅鈴の母が書いた手紙にとてもよく似ている。