【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
触れたら、引き返せない。
触れられなかったら、後悔が残る。
ならば、なぜ、人は人を愛すのか。
想い、嘆いて、何故また、愛すことが出来るのか。
見えぬ未来。
……叶わぬ未来。
「……ああ、分かってる。分かってるから、辛いんだ。何故、自分は永遠の住人なのか。何故、人ではないのか。自分で望んだことのはずなのに、幸せになって欲しいと心から願っていたはずなのに。手放したことを酷く後悔している。そんな、自分が許せない……っ」
全ての因果。
我が選んだこの道は果たして、間違っていたのだろうか。
時は進む。
止まることを知らずして、前に進み続ける。
悲しみを募らせて。
例え、どんなに残酷な事であっても。
それらはすべて、一つの運命。
「炎樹」
声が聞こえた。敬愛する、主の声が。
「はい……姫」
その場に傅けば。
「これを、あなたに返します」
紅鈴は、優しい手つきで炎樹の手の上に封力石を置く。
炎樹が手に取ると、石はまばゆく光り、静かに炎樹の体に戻ろうとして、石は手に沈み込んでいく。