【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「……やっと、分かったよ」
瞬間、理解する。
自分は、桜華を……愛さないようにしていた、彼女を……
「……俺は、桜華が好きだった」
愛していたのだと。
後悔は、消えない。
あのとき、引き止めていたら、と。
「抱き締めて、触れていたら、俺の物になったのだろうか……?」
何も言えない。
どうすればいいのか、わからなかった。
「私の、せいで……」
後悔しないと決めた、彼女を追い詰める。
俺達と、巫女の想いが。
俯いた紅鈴の傍に立ち、紅鈴に微笑むのは、草志。
「……俺も、したよ。百年前に、耐え難い後悔を」
草志の顔が、暗がりに焼かれる。
「たった一人の人を愛した。優しくて、明るくて。彼女は、後宮に入って、殺された」
草志も、どうしようもなかった。
愛していても、身の上が許してくれなかった。
「でも、それは――……お前のせいじゃないよ、紅鈴。これが、運命だ。俺らに告げられた。……紅鈴を守ること。それは、俺らの生きる希望なんだ。だから、約束した。来世でまた、と。後悔は、もうない。ただ、また、会える日まで、さよならというだけ」
「草志のくせに良いことをいうね。その通りだよ。紅鈴。……炎樹も分かっているだろう?」
微笑んだ草志に苦笑して、夢叶は言う。