華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
「んっ……ふ、ぅ……!」


今度のキスは長く、酸素を求めて少しだけ開いた口の隙間から舌を差しこまれ、どうしたらいいかわからなくなる。

絡ませられる舌に必死に応えているうちに、力が抜けた身体はベッドに沈んだ。

唇が離れていき、閉じていた目をゆっくり開けると、覆いかぶさるセイディーレが黒髪の隙間から獣のような瞳で私を見つめている。

身体が、胸が、じりじりと焼けるように熱い。彼の視線だけで溶かされてしまいそうだ。


「その欲情した身体、俺が鎮めてやる」


色気が溢れる声でそう言われた瞬間、不快ではないゾクリとした感覚が走り、大きく心臓が跳ねる。

近づいてくる綺麗な瞳を見つめ、これからの行為を想像して覚悟を決めた。

セイディーレの気持ちはわからないし、もし私と同じだったとしても、この恋が許されるはずがない。

それでも。不謹慎かもしれないけれど、許されないからこそ、彼と触れ合っていられる今のこの瞬間を幸せに思う。


何度も重ねられる唇は、小鳥のようについばんだり、かと思えば食べられてしまうくらいに荒々しかったり、私を翻弄してやまない。

彼の手が腰から上へと身体のラインをなぞるだけで声が漏れ、胸の膨らみに到達すると思わず小さな悲鳴を上げてしまった。

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