華麗なる最高指揮官の甘やか婚約事情
話しているうちにだんだん慣れてきて、食事を終える頃には敬語もとれ、自然と呼べるようになっていた。

マジーさんはだいぶお酒が進み、顔も赤くなって上機嫌だ。セイディーレは相変わらず無愛想で、「酒臭いから風に当たってくる」と言い、小屋を出ていく。

なんとなく彼を追って窓の向こうに目をやると、彼の馬とメーラの顔を撫でる姿が見え、ちょっぴり微笑ましくなった。

そうだ、今のうちにセイディーレのことを詳しく聞いてみようかな。あの人、自分のことはあまり教えてくれないから。

アルツ草の様子を見ていたマジーさんが戻ってくるなり、私は質問する。


「あの、セイディーレは騎士の階級ではどの位なんですか?」

「なんだ、まだ聞いとらんかったのか」


よっこらしょ、と椅子に腰かけたマジーさんは、テーブルに肩肘をついて話しだす。


「セイディーレはな、クラマイン国の中で最高位の指揮官なんだ」

「えっ、最高指揮官!?」


そんなに高い位だったの? だって、“騎士の中で”じゃなく、“国の中で”最高位だなんて!

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