アオイロノヒマワリ ―咲―
「寒い!しかも、雪とか最悪」
空からは白い欠片が降っては濡れた地面に落ち、溶けていく。
その中を私──、向井日葵(ムカイ ヒマリ)は番傘を差し、寒さに耐えて歩きながらぼやいた。
高二の冬。
楽しみにしていた修学旅行は例年通り京都で、三泊四日。
初めての京都を満喫したかったのに、天気はまさかの雪。
幸い、交通にマヒは出ておらず、午後からは雪が止むらしい。
でも、出来るなら午前中に止んで欲しかった。
何故なら……。