アオイロノヒマワリ ―咲―
それにしても一つ聞き捨てならないこと言われたな……。
「彼氏の有無はどうでも良いわ、この馬鹿!」
私は草履で祥成の足を思い切り踏んだ。
祥成は「いってぇ!」と爪先を押さえながらその場で片足で跳ねている。
「フン、自業自得よ。行こう、希月」
痛がる祥成を無視して、足場の良くない道を希月と歩き出す。
私だって、好きでこの名前になったんじゃない。
でも、両親が想いを込めてつけてくれた名前だ。
嫌いになんかなりたくなかった。