副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
「行こうか」
彼に手を差し出されて、私はそれに自分の手を重ねた。
腰に回る腕が擽ったいけれど、心地良い。
ゆっくりと会場のある大広間へと向かっていると、私たちの前に立ちはだかる人影が見えた。
徐に足を止めると、その人は真っ直ぐに私を見つめて綺麗に口角を上げる。
「少しだけでいいから、話をさせてもらえるかしら」
鈴を転がすような声で私に問いかけたのは、ワインレッドのドレスに身を包んだ美穂子さんだった。
思わず胸がざわつくけれど、私は意を決して首を縦に振る。
「明日奈……」
心配そうにこちらを見つめる彼に「大丈夫です」と笑顔を向けると、私は彼女に駆け寄った。
一瞬私を見つめた彼女は、なにも言わずに足を進める。
その姿勢の良い綺麗な後ろ姿を見つめて、私はただ少し離れてそのあとを追った。
彼が雨の中私を追いかけて来てくれた日、必ず美穂子さんにわかってもらうと言っていた。話に同席するかとも言われたけれど、それは丁重にお断りした。
幼いときからそばにいた二人の絆は、私なんかにわかるはずがない。
彼に手を差し出されて、私はそれに自分の手を重ねた。
腰に回る腕が擽ったいけれど、心地良い。
ゆっくりと会場のある大広間へと向かっていると、私たちの前に立ちはだかる人影が見えた。
徐に足を止めると、その人は真っ直ぐに私を見つめて綺麗に口角を上げる。
「少しだけでいいから、話をさせてもらえるかしら」
鈴を転がすような声で私に問いかけたのは、ワインレッドのドレスに身を包んだ美穂子さんだった。
思わず胸がざわつくけれど、私は意を決して首を縦に振る。
「明日奈……」
心配そうにこちらを見つめる彼に「大丈夫です」と笑顔を向けると、私は彼女に駆け寄った。
一瞬私を見つめた彼女は、なにも言わずに足を進める。
その姿勢の良い綺麗な後ろ姿を見つめて、私はただ少し離れてそのあとを追った。
彼が雨の中私を追いかけて来てくれた日、必ず美穂子さんにわかってもらうと言っていた。話に同席するかとも言われたけれど、それは丁重にお断りした。
幼いときからそばにいた二人の絆は、私なんかにわかるはずがない。