副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
「千秋にも、あなたから謝っておいてくれるかしら。私は、もう彼に合わす顔がないの」

 その悔やむような苦しげな表情を見て、私は我慢出来ずに強く結んでいた口を開いてしまう。

「嫌です」

 語調を強めて呟くと、彼女は少し驚いたように目を丸めてこちらを見つめた。

「合わす顔がないから代わりになんて。そんなの副社長も納得しません。もし……もし、美穂子さんがいつか、副社長と顔を合わせられるような日が来たら、自分で伝えてあげてください」

 息が切れそうになりながらも、思っていることをぶつける。

 私の言葉なんて、聞きたくないかもしれない。

 けれど彼が大切に思っているこの人には、同じ人を好きになったこの人には、私も本音で向き合いたいと思った。

「彼はあなたのことも、三浦さんのことも、とても特別に思っているはずです。美穂子さんがまた会ってもいいと思うなら、二度と会わないなんて言わないであげてください……」

 興奮して、思わず私の目には薄らと涙が滲む。それを見た彼女は、困ったように大きく息をついた。
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