副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
「ご無沙汰しています、垣内さん」

 そこにいたのは――あの日合コンで出会った男性だった。

「ふ、副社長……! こちらこそご無沙汰しております。近々こちらにお戻りになられるとお話は伺っておりましたが、もうお戻りになられていたんですね」

 驚きの声を上げた部長は、男性を見つめ目を白黒させている。

 しかし彼が発したある単語に、私はまたしても頭を殴られたような衝撃に襲われた。

 ……ふ、副社長!?

 こんなことが、そう簡単にあるわけない。たまたま出会った男性が、自分の会社の……しかも副社長だなんて!

 今にもショートしそうな頭をなんとか回転させ、必死に心を落ち着かせる。しかしそれをわかっているのか、男性はゆっくりとこちらに近づいてきた。

「望月 明日奈さん」

 名前を呼ばれて、ビクリと大きく跳ね上がる。

「は、はい……」

 なんとか絞り出した声は、小さく震えていた。
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