となりの席
奏汰君が突然話した。


なんか……震えてる?


「いじめは無いよ、この学校。みんな、小学校から一緒だからさ」


「あー…奏汰……これはな…?」


話していい?もうこいつ仲間なんだから、とテレパシーが伝わった。


軽く頷くと、貴之君は言った。


「芽衣の病気の事かな……」


「びょう…き……?」


「そう、ひいちゃったよね……私、生まれつき大きな病抱えてるの。治らない不治の病。」


「あ、これは四人だけの秘密だから、クラスの子にも言っちゃダメだよ?元々体弱くていろいろの悪いとはみんな知ってるけど……」


「あ……なんか、ごめんね…」


「ううん、大丈夫だよ」


「でも、奏汰?これで、俺たち4人は仲間だから、な?早く学校慣れろよ?」


「ありがとう…」


目が潤みながらも、奏汰君はすごい輝かしい笑顔を放った。


それにしても、いじめって言ってた時、奏汰君、震えてた。


前の学校で、何かあったのかな…。
< 12 / 43 >

この作品をシェア

pagetop