となりの席
うちの高校はほんとに田舎にあって、一学年一クラスしかない。


それに、ほぼその地域に住んでる人しかいなくて、転校生なんて来るようなとこじゃない……のに。


「ね?静かに聞けないでしょ?」


「うん、聞けなかった、ありがとう」


「はあー、イケメンかなぁ、天使かなぁー。」


「紗彩に入るでしょ?彼氏が」


「それとは別でねー?」


紗彩には彼氏がいて、サッカー部のエース。


背が高いし、それなりにイケメン。


紗彩も可愛いから、美男美女カップルですごく有名。


「別ってなんだよー!私もいつか…青春したいな」


「芽衣も出来るって!」


「無理無理、こんなお荷物な人、うけとってくれるひとなんていないよ」


実は、病気のこと、紗彩と紗彩の彼氏の貴之君しか知らない。


そしてこの先誰にも言いたくない。


「芽衣は可愛いし頭良いし、いい物件だけどなぁ」


「やめてよほんと…」
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