となりの席
ぺちゃくちゃ話してると、何故か目の前がふらついてきた。


「芽衣?大丈夫?」


「うん……ちょっと疲れちゃったみたい…」


だんだん気分が悪くなってきて、目をぎゅっと閉じた。


「芽衣?芽衣、気分悪い?部屋戻る?」


ひざ掛けをぎゅっと握って、頷いた。


ドクドクと不規則な脈を自分の心臓が打ってる。


そして、呼吸も乱れてきた。


部屋に戻る途中、看護婦さんが気づいてくれたのか、先生を呼んでくれた。


部屋に戻ると、だいぶ戻ってたけど、息がしづらくてチューブをつけてもらった。


「芽衣体調悪そうだし、今日はもう帰るね?」


「ごめんね、早く帰れるように頑張るね」


「芽衣いなかったらひまだもーん、明日もこよっかな」


「遠いし交通費かかるしいいよ?気持ちだけで嬉しい」


「交通費なんて、芽衣のためなら無いようなもんよ~」


「やめてよ照れちゃうじゃない」


「まあまあ、ゆっくり休んで?じゃ、またねっ」


「わざわざありがとうね!気をつけて〜」


紗彩がいなくなると、静かになる。


この空間が一番嫌。


隣の人もいるはずなのに、心の中に穴が空いてるみたい。


いつの間にか、そのまま寝てしまっていた。
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