となりの席
結局、始業式までには退院できず、始業式の一週間後に退院した。


始業式の前の日が退院予定だったのに、小さな発作のせいで延期になった。


退院したとはいっても、まだ体調は良くなくて、そのまま2日ほど休んだ。


「芽衣?どう、今日は調子良さそう?」


「うん、昨日よりましかな」


「学校まで送っていこうか?」


「ううん、久しぶりにバス乗ってく」


「ならちょっと早めに出ないとね」


ちょっと重い荷物を持って、早めに家を出た。


バスに乗って久しぶりに学校へ行く。


一番後の左側の席が私の中での特等席。


まだ誰も、座ってるところを見たことがないこの席、夏はいい感じにクーラーが効いてて、冬はあったい風がいい感じに吹いてて、ほんとに心地いい。


降り際に、いつもの運転手さんに挨拶をした。


「あ、芽衣ちゃん久しぶりだね、体調崩してたの?」


「うん、でも、だいぶ落ち着いたよ!」


「そうかい、よかったよかった、んじゃ、行ってらっしゃい!無理しちゃいかんよ!」


「ありがとう!」


朝から気持ちがいいけど、重い荷物を持ってるせいかちょっと気分が悪い。


学校につくと、そのまま職員室へ行った。
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